端材のあれこれと活用例|株式会社プレックコンポーネント




 ツーバイフォー工法住宅のパネルを製造する過程で生じる端材は、割れや反りなどの理由でカットされた寸足らず材となって製品の製造に利用できないため、そのいくらかのものはリサイクル業者に販売します。それでもなお残るのが今回の対象となる端材です。

 産業廃棄物として処分するか、リサイクル業者に引き取ってもらうしかない端材を、単に処分するのではなく他に価値的に利用できないかと、SDGsに取組む中で検討を始めました。

 保育所に提供すると、木とのかかわりが少なくなってきている子ども達には、木の手触りは新しい触感で、木の特徴的な香りは新鮮であったに違いありません。また、端材はきちんとした寸法にまとまっておらず個々で微妙に違うところが子ども達の創造力をかりたてたのかも知れません。工夫していろんな組み合わせでいろんな物を形作ってくれました。

 保育所は、端材のバリ取りをしてそのまま提供した一例です。2×4材は、厚みがあるので加工用材料として様々な用途に利用できるのではないかと思います。以下に、保育所に提供した端材と、材料を加工した使用例を掲載します。



 端材活用のきっかけとなったのが鳥の巣箱でした。
 とりあえず木の板で四角くすると・・・そんなところから始まった端材の活用!
                   ストーリーの最初はこんなものでした→


1.端材を積み木にして提供

(1)

(2)

(3)

(4)


(5)
保育所に提供した端材は、手のひらサイズの小さいものだけを選んで研磨しました。(1)から(4)は、材料の端をカットしたときにでる端材です。(5)は、床材に配線・配管用の穴をくり抜いたときにでる端材です。

(1)〜(5)を合計50個程度で1セットにして提供しました。
その様子は、端材活用Project「東広島市の保育園に 木の玩具を提供」でご覧頂けます。








2.プレート


 2×8の端材を定尺にカットして、簡易スタンドに見立てました。材料は38mmと厚みがあるので、写真を貼り付けて、または絵を描いてそのまま立てて飾ることができます。
 こちらの保育所では、保育士の方々の写真を貼り付け、紹介写真として入口に置かれていました。








3.六面体




六面の厚みを2×4の厚み(38mm)に合せて加工しサイコロ状にしました。
そのままサイコロでも良かったのですが、文字・数字を刻んでカレンダー風にしてみました。カレンダーの枠も合板の端材を使っています。












4.パネル


パーティクルボードをカットしたパネルです。このようなパネルの材料はこの他に、合板、OSBなどが採用できます。壁の窓のくり抜きなどによって生じる端材です。
このパネルには絵を書くことができます。「2.プレート」と同様に写真立てとしても利用できます。
パーティクルボードは比較的大きいサイズに加工できます。画像の大きいパネルはA3サイズになります。小さいサイズが150mmX185mmで、2Lサイズの写真を貼り付けることができます。








5.台座


2×4材に溝切して短くカットしたものです。物を溝に差し込むことで様々な台座として利用できます。2×4材は厚みがあるので深く溝を切ることができます。透明板を入れればパーテーションを作ることができます。
「4.パネル」と組み合わせることでパネル立てとして利用できます。
「4.パネル」に絵を描いて、台座に置いて飾ってくれました。








6.パネルの積木


2×4材(写真左)とパーティクルボードを、平面38mmX150mmに小さくカットした積木です。パーティクルボードは製品厚みが9mmと決まっていますが、2×4材は好みの厚さに加工できます。ただ、弊社のカットマシンだと10mmが限界となります。








7.パズル仕立て


「6.パネルの積木」の長短2種類を制作し箱に並べて見ました。この表面に絵を描くと簡単なパズルにすることができます。表と裏が使えるので2種類のパズルが作れます。また、積み木の方向を90度回転して並べ変えができるよう箱のサイズを調整しています。








8.椅子


通常は土台に使用している材料の端材4本とその間にパーティクルボードを挟んで、足に組んでいます。天板に当たるところはツーバイフォー材を四角に加工して取り付けました。高さは400mm程度の大人用としています。








9.階段


保育所の舞台に上がる階段を制作しました。踏み面には天板を置いています。階段は4ブロックの踏台を組み合わせているため、高さが同じ踏台2個の踏面に跨がせて天板を置いています。



天板を取り除いた状態です。高さの違う踏台2個ずつを並べ階段にしています。
2種の踏台の内、小さい踏台です。階段を使わないときは、乳幼児の踏台としても腰掛としても利用できます。









10.花壇ブロック


通常土台に使用する材料で、90角、長さ400mm前後の端材が生じます。土台用に防腐処理が施してあるため、未処理の材料と比較すると腐りにくいと思います。防腐剤を塗布すると更に長持ちすると思われます。



花壇ブロックの代わりに使いたいという要望を受け、400mm、300mm、150mmにカットしました。


端材を並べるだけでも、土台の特徴的な形状からそれなりの体裁が整うことがわかります。



どのように使うか、新たな発想をいただきました。





中黒瀬保育所で作られた花壇の画像をいただきました。スタッフと子ども達の合作です。







11.合板の切り抜き


ツーバイフォー工法住宅の耐力壁材として使われる9mm合板を切り抜いたものです。目の細かいジグソーで切り抜いていますが、細かい形状の加工は難しいと思います。多少のバリが出ますが、サンドペーパーなどで整えました。





12.LVL材の切り抜き





梁やまぐさ材として使われるLVLを切り抜いたものです。今回は単純な丸形に切り抜いています。断面の模様がアクセントになるので色々な使い方ができると思います。
これはLVLを厚み5mm、直径85mmに加工したものです。コースターとして利用できそうです。表面の研磨に手間がかかります。





同じくLVLを切り抜いたものですが、小さな形状に加工して、ピアス風にしてみました。細かい作業になりました。
ピアスの雰囲気を感じてもらうために撮影しました。製造過程で偶発的に生じる模様ですから、同じ柄にはなりませんが、それがオリジナルデザインとなります。















13.ランバーシート




ランバーシートは、ツーバイフォー工法住宅の基本材料となるS.P.F(エスピーエフ)を、カナダから輸送する際にこれを包んでいる包装材です。
このようなランバーシートはアップサイクルでも利用できそうです。見よう見まねで作ってみました。



ランバーシートは色やデザインが様々で、使い方によってはそれなりのデザインが期待できます。
ブルーシートの再生や洋服の修理、リメイク、オーダー服の制作などを手掛けられる”工房こどもノか”さんに試作していただきました。プロの手にかかるとこんなにすばらしい商品の数々になります。
製作:工房こどもノか